“皇統断絶の妙薬”「養子論」を教宣する百地章の「犯意」(その2) ──明治期の宮家皇族間の養子を除き、皇統史に養子の例はゼロ
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中川八洋掲示板
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“皇統断絶の妙薬”「養子論」を教宣する百地章の「犯意」 ──明治期の宮家皇族間の養子を除き、皇統史に養子の例はゼロ
2017.04.07
生前ご譲位は皇位断絶への道
筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
(続き)
第二節 皇統の「養子」は“猶子”の事で、家制度(民法)の“養子”ではない
天皇制廃止法である「1999年男女共同参画基本法」の制定以降、文字通りに天皇制廃止に暴走する日本での、オーウェル「転倒語法」のニュースピークには、天皇制廃止の即効毒薬「女系天皇」「女性宮家」「婿養子」の“悪魔の三語句”がある。皇統護持を信条とする真正の日本人なら命を捨てても、二千年皇統史の伝統破壊を阻止せんとするから、「女系天皇・反対」「女性宮家・反対」「婿養子・反対」となる。だが、「コミンテルン32年テーゼ」に立つ者は、天皇制廃止の即効毒薬「女系天皇」「女性宮家」「婿養子」を、皇統の安定的な継承のためとか、天皇のご公務の軽減のためとか、真赤な嘘ですり替えている。これ等の詭弁もまた、「戦争は平和である」としたスターリンと同じ、転倒語法(ニュースピーク)の典型。
しかし、「民族系」で、この三本柱を揃えて正しく主張した者は、共産党員の吉川弘之が座長を務めた、首相・小泉純一郎肝いりの“赤い暴風”『有識者会議』(2005年)の前後を含めた2004~6年、一人もいなかった。本件問題で「民族系」トップ評論家の八木秀次は、「条件付きの女系天皇・反対」を叫びつつ、共産党が大拍手した「養子・賛成」論を展開した。
八木秀次は、附け焼き刃の“《急ごしらえ皇位継承》評論家”である上に、IQが極度に低く、「婿養子の制度化→女性宮家/女系天皇」が理解できない。いや、それ以上にIQの低さと知識の貧困さは致命的で、八木は実際に起こる現実が全く予見できない。女性天皇や女性宮家や婿養子の、どの一つでも制度化される皇室典範改悪がなされた瞬間、天皇制度は一気に自壊して消滅する。それなのに、この深刻な現実事態が八木秀次には見えない。
共産党の天皇制廃止革命を応援する積りなのか、八木秀次は奇々怪々な養子論を、小泉・有識者会議が設置される半年前の2004年5月頃の対談で展開した。
閑話休題。『有識者会議』が設置された2005年1月よりずっと前から、その中心テーマとなる女系天皇問題や養子問題が前哨戦的に論壇で賑わっていた理由は、小泉純一郎は首相になる2001年4月の直前から天皇制廃止を筆頭の政策にすると決心し(注1)、2001年4月には共産党員の元・厚生事務次官・羽毛田信吾を宮内庁次長に据えただけでなく、2001年12月に積極的にマスコミに事前根回しの工作を行ったからである。
読売新聞は、2002年3月、「女性天皇の賛否」につき世論調査をしているが、これも小泉の内意を受けてのもの。2004年5月の八木の高橋紘との対談も、この「小泉内閣→文藝春秋社」で企画された(『諸君』2004年7月号)。『VOICE』2004年9月号の八木/高森/所/大原康男/福田和也・中西輝政対談も、PHPが小泉首相の内意を受けて、天皇制廃止を一般国民に教宣するためのものだった。
(蛇足) この大原康男の『VOICE』エセーの題名は、「欠陥だらけの皇室典範」。ということは、大原は“共産党の犬”になりきって皇室典範の全面破壊を目論んだことになる。現行の皇室典範は皇統を護持できるが、(「皇室会議」を「皇族会議」に改正する以外の)現行皇室典範のいじくりをすれば、一瞬して皇室は瓦解消滅する。大原康男は、きっと共産党に入党したのだろう、「コミンテルン32年テーゼ」を奉戴しているようだ。
八木秀次の養子論は、旧皇族への侮辱に立つ、共産党と同じ「天皇・皇族は囚人」視が基調
八木秀次の養子論は、単に奇天烈であるだけでない。まともな人間の口からでる言葉ではない。なぜなら、こう述べているからだ。
「旧十一宮家に属する男系の男子が、現在の内親王や女王と結婚された場合は、皇籍に復帰できるようにする方法である。・・・」(注2)。
この八木秀次の言説は、「旧皇族の男性に対して、内親王や女王と結婚したら、皇籍復帰してあげよう」「俺様は日本国の独裁者だ、皇族女子と結婚すれば、何でも望み通りにしてやろう」との謂いだから、こんな傲慢不遜と不敬の極みで穢れた八木のこの一文は、とても再読できるものではない。譬えれば、ある会社の社長が若い男性社員に向かって、「俺の娘と結婚すれば、すぐに部長にしてやるぞ」と同じもの。野卑きわめる言動である。
われわれ日本国民は、旧皇族の方々に、頭を下げて是非とも皇族に戻って頂きたいと、お願いする立場にある。そうしないと皇統は断絶する。旧皇族の皇籍復帰は、日本国の皇室奉戴を救う唯一の方策であり、緊急を要している。内親王殿下とのご結婚などとは全く関係ない。
すなわち、皇族が皇籍復帰して頂けるだけで感謝し感涙することが、正しき日本国民が有する“世襲の皇室尊崇の精神”に基づく行動である。しかも、内親王殿下や女王殿下が、皇籍復帰された旧皇族とご結婚されるか否かは、内親王殿下や女王殿下がお決めになること。何人も国家権力(法律)も、その自由を剥奪することはできない。自明ではないか。
八木は、旧皇族の男性男児に対しても、現在の内親王殿下や女王殿下に対しても、心理学的には、上から目線の命令をして悦に入っている。小泉純一郎や野田佳彦と同じである。ルイ16世やマリー・アントワネット王妃に対して囚人を扱う態度だったフランス革命時のジャコバン党が乗り移っている羽毛田信吾や園部逸夫は、天皇・皇族をまさに刑務所に収監している囚人を扱う憎悪の目で見ているが、八木秀次も羽毛田や園部と五十歩百歩である。
行政や立法の実際をいっさい知らず、新聞報道の分析もしない、無知丸出しの百地章と八木秀次
純血の在日朝鮮人で天皇制廃止に執念を燃やす小泉純一郎は、首相となった2001年4月から起算しても2004年暮れまで約四年の歳月をかけた研究の上に、皇室典範をハチャメチャに破壊する“皇室典範の大改悪”を目的として、それを決行することにした。2005年1月発足の、共産党員の吉川弘之が座長の『有識者会議』とは、この小泉純一郎の指示を受けた皇室典範をハチャメチャに破壊する“皇室典範の大改悪”のため設置された(法律に基づかない)首相の私的諮問会議であった。
「民族系」論客の問題は学歴が低いだけでない。(多少は目立つ)論客人生であっても、国家のエリートとは縁遠いため、テレビのお笑い芸人と同種に成り下がっている。当然、彼らは、国政の実務部門がどう動いているかなど無教養にすぎて皆目わからない。だから、短気な小泉純一郎が、共産党員・園部逸夫が主導する『吉川・有識者会議』が2005年の年末に出す報告書の全容を、『吉川・有識者会議』が発足する十一ヶ月前、『読売新聞』2005年1月4日付けで一気に発表したのに、これを等閑視した。その内容については後述する。
「民族系」論客のもう一つの致命的欠陥は、『有識者会議』に呼ばれて何か発言すれば、それが考慮される、すなわち若干なりとも影響を与えうるとの、幼児的な妄想をする特性。政府の審議会や諮問会議は、多様な意見を聴取したとの演技をするために外部の人間から意見を聞くふりをする。意見を聞いたからと言って、審議会や諮問会議が発足前に決めている報告書内容を変更することは、万が一にもしない。
すなわち、皇室典範全面破壊を目指す、小泉・有識者会議が出す、そのとんでもない『報告書』を粉砕したいならば、この有識者会議で意見を述べることの方がはるかに危険な愚策。外部から、激しく非難の礫を雨霰と叩きつける策こそ、百倍も千倍も有効である。
しかも、相手は、1999年4月~2000年3月の「宮内庁共産党細胞+内閣府男女共同参画局(全員が共産党員)+内閣法制局共産党細胞」の非公式勉強会からすれば、(2005年1月の時点ではすでに)五年以上の歳月をかけてたっぷり研究して決起している。霞が関官僚よりはるかにIQや学歴で劣る八木秀次や百地章その他の有象無象の「民族系」諸氏が、即製ラーメン以下の貧弱で安っぽい即製知識をいかに集合させても、審議会や諮問会議の場を通じての対抗などできる筈もない。
民族系論客は、実は、簡単かつ確実な方法があるのに、それに気付かない。簡単かつ確実な方法とは、2005年11月に出る『報告書』の内容は読売新聞の報道で透け透けにわかっているのだから、この報告書を十ヶ月前の1月から一つ一つ丁寧・精確に論破しておく策である。が、劣悪な大学教師である上に、百地章は傲慢男、八木秀次は軽佻軽薄な売名屋。『読売新聞』2005年1月4日付けで報道された『報告書』骨子を分析すらしなかった。
皇統史を知らない無知蒙昧の百地章らしく、その養子論は皇位継承の伝統を蔑にした皇統破壊論
そればかりか、天皇制廃止革命を決行した小泉純一郎/羽毛田信吾/園部逸夫/渡邊充(備考)の“悪の四人組”は、読売新聞があまり本当のことを書きすぎたとして、慌てて、民族系騙しを商売にしている産経新聞に嘘訂正記事を書かせた。産経新聞の当時の社長は、北朝鮮人の住田良能(社長は2004年6月~2011年6月)で札付きの天皇制廃止狂徒。小泉純一郎らにすぐ全面協力した。
備考;共産党シンパの渡邊充は1996年12月から2007年6月まで侍従長。元伯爵の家柄だが、堂上公家ではなく、諏訪藩の武士の出。羽毛田信吾は、2004年時点は宮内庁次長、2005年4月1日に宮内庁長官。
上記の読売新聞は、『有識者会議』が目指す天皇制廃止の策謀を全てバラした。①長子継承にして「女性天皇→女系天皇」とする。②永世皇族制度を廃止して、皇胤が絶滅すれば即天皇制廃止が自然と起きるようにする。③女性皇族に宮家を持たせ、その婿養子に民間人を認めて、親王家=宮家を完全破壊する(注3)。
この三番目について、小泉総理たちは、余りに露骨すぎるので嘘修正で穏和化し、民族系の籠絡をすることにした。それが、1月22日に産経新聞にリークされたと称する「女性宮家の婿養子は旧皇族に限る、養子制度導入(=「養子の禁止」を定めた皇室典範の破壊)」という真赤な嘘(注4)。産経新聞の見出しは「旧皇族から養子検討」である。むろん、これは真赤な嘘報道。2005年11月の『有識者会議報告書』を見れば一目瞭然ではないか。
これを、旧皇族の復籍を主張する「民族系」は、産経新聞の報道だったこともあり、真に受けた。特に、この嘘報道に我が意を得たりと恍惚となった“スーパーお馬鹿”が「政教分離」運動家の百地章。百地は、この報道から一年もつのに、頭が一年間休暇中だったらしく、次の戯言に酔い痴れる。
「養子縁組の制度を復活させることです。旧皇族の男子に宮家に養子に入っていただく。その場合、旧皇族男子が宮家の女性の婿養子になって頂くということになりますと、・・・・・」(注5)。
学者以下の専業評論家・八木秀次や間違いだらけの『政教分離』の著作しかない六流学者・百地章は、立法において旧皇族からの養子に限り「養子を認める」などの条文が可能だと思いこんでいる。旧皇族など法令条文に馴染まないのは、中学生でもわかる。そもそも旧皇族は民間人である。「養子の禁止」を定める皇室典範第九条の削除は、何をもたらすのか。
“女性皇族を民間人と結婚させる”ために、臣籍降下させずに女性皇族であり続けさせることは、男系男子の皇胤でない「ニセ皇族」を創る。旧皇族男子が宮家の女性の婿養子になることは、瞬時にして「天皇制度など要らない!」の大合唱が国民の大多数を占め、天皇制度の廃止が自爆的に必定となる。
しかも、八木秀次や百地章は、思考が本末転倒している。まず、旧皇族が皇籍復帰して“正しい宮家”である「親王宮家」を持てば、すべてが解決するのに、これを門前払い的に排除している。内親王も女王も、親王宮家の妃の道を選択すれば、そのまま女性皇族であり続ける。民間人の男性と結婚すれば、臣籍降下となる。皇族継続の道か、臣籍降下するかの選択の自由を、独身の内親王や女王殿下はお持ちになるべきである。
学者以前の無知さを恥じることない八木秀次や百地章が鉦や太鼓で騒ぎまわる、「皇室典範から養子禁止条項を削除せよ」は、彼らが小泉純一郎/羽毛田信吾/園部逸夫/渡邊充の“悪の四人組”の一味になったことに他ならない。思わず古諺「馬鹿は死ななきゃ治らない」を思い出してしまった。
もう一度言う。旧皇族の皇籍復帰さえすれば、“ニセ宮家”女性宮家を創設しようとする共産党策謀も潰せるし、女性皇族が皇族の身分のまま民間人と結婚されて「男系の皇胤でない」、いわゆる“ニセ皇胤”が生まれる、そのようなトンデモ皇統断絶の危機も完全に阻止できる。旧皇族の皇籍復帰こそが唯一に男系男児の皇胤を最小限の数で確保する方法である。これ以外の他策はすべて、皇統断絶に至る。
(続く)
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