“極悪独裁者”金正恩の毒饅頭を喰った“狂ピエロ”文在寅(その2) ──“全面戦争の東アジア”が到来し高笑いのプーチンと習近平
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中川八洋掲示板
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“極悪独裁者”金正恩の毒饅頭を喰った“狂ピエロ”文在寅 ──“全面戦争の東アジア”が到来し高笑いのプーチンと習近平
2018.05.07
北朝鮮の撃破殲滅が日本の安全
筑波大学名誉教授 中 川 八 洋
(続き)
国内大量殺戮の独裁者と対外侵略は一つコインの裏表。金正恩は侵略を止めない。
ヒトラーが第二次世界大戦を開始したことなど誰でも知っている。スターリンが朝鮮戦争を起こしたことなど誰でも知っている。スターリンが毛沢東の国共内戦を指示・支援したことなど誰でも知っている。フルシチョフがベトナム戦争を開始したことなど誰でも知っている。毛沢東がチベット侵略とその独立剥奪をしたことも誰でも知っている。
と同時に、ヒトラーがユダヤ人を最低数でも150万人以上をチクロンその他で殺戮したことなど、誰でも知っている。ヒトラーがドイツ国内の身体障碍者/精神障碍者あるいはジプシーの「安楽死」を敢行した蛮行についても誰でも知っている。スターリンが(レーニンと総計で)自国民を6600万人殺戮したことも誰でも知っている。毛沢東が「大躍進」(マルクスの教義に従い、農地の「人民公社」化)や「文化大革命」(ルソーの『人間不平等起源論』に従い、文明社会を未開時代に戻す退化革命)で自国民8500万人以上を殺戮したことも誰でも知っている。
だが、一個の人格において人間殺戮と対外侵略は不可分の関係にあり、国内自国民を平然と殺戮する独裁者は必ず対外侵略を平然と行う哲理を知っている者は、ほとんどいない。私の知る限り、この深遠な国際政治学上の哲理を拳々服膺していた政治家は、偉大な英国首相ウィンストン・チャーチルぐらいであろうか。
チャーチルは、1932年から1938年秋に至る丸七年間、数回の国会下院演説で、ヒトラーが英国に侵略して来ると予見と警告をした。このとき彼が挙げた「ヒトラー=戦争屋」である理由の一つが、「ヒトラーは国内でSS(親衛隊)等を使いテロルを日常としている」だった。が、凡庸人は、ある特定独裁者の国内政治の手法と対外政策とは別次元だと、独裁者の行動を予見し透視するに極めて重要な、この一体不可分性の真理を等閑視し否定する。
今こそ、チャーチルが発見した、深遠にして深刻なこの国際政治の原理原則を、日本は緊急に、また絶対に凝視し、日本国の対外政策の指針にすべき時である。
金正恩は、自分の兄(金正男、希釈VXで殺害)や義叔父(張成沢、銃殺)すら平然と殺す殺人鬼である。「気に食わない」だけを理由で処刑された側近は、すでに百名を超えた。まさに、殺人鬼であり、スターリンの再来である。「反体制的」と当局に認定された他の一般北朝鮮人は拷問され強制収容所送りとなるだけでなく、人知れず殺戮されているが、これも金正恩の日常である。その数は数万人と推定されているし、数十万人のレベルの可能すらある。金正恩と平和を語ること自体、ナンセンスを超え地獄への直行便ではないか。
爆弾で遊ぶ子供のごとく、このような金正恩と“会談ごっこ”する文在寅やトランプは、かつてヒトラーとミュンヘンで会談して(1938年9月末)、第二次世界大戦の開戦を手助けした英国首相チェンバレンの愚行を繰り返す戦争協力屋だと言える。文在寅はいざ知らず、トランプ米国大統領まで東アジアにおける全面戦争勃発の土壌づくりに励むとは、世界は今“狂ピエロ”が国家を担うのが流行なのか。
騙し言葉「平和」を撒布するのは“侵略の独裁者”の性癖──ヒトラー「平和演説」の事例
侵略の独裁者が、いかに言葉「平和」を巧みに操り、また「平和」を大量に使用して、侵略を開始するための環境づくりをすることについては、「ヒトラー平和演説」において歴然と証明済みである。「ヒトラー平和演説」とは、学界の通説に従えば、1933年5月17日と1935年5月21日の国会演説を指す。この演説については、触り程度ならば、注1参照のこと。
後者の第二回平和演説について、その基本をかいつまんでおこう。今般の金正恩の板門店宣言がヒトラー平和演説をソックリ継承しているからだ。ヒトラー平和演説は、まず①正義に基づく平和を高らかに謳い戦争を否認するという、侵略者のお決まり騙し文言に始まり、②ドイツがいかに平和を欲し平和を必要としているかを力説する。そして、ヨーロッパの秩序再編問題にとって、「いかに戦争が無用で有害なものであるか」を強調する。殺人鬼が殺人を実行する前に殺人の有害無益さを強調するのと同じ。このヒトラー平和演説にコロリと騙されたのが英国。平和愛好国の英国は、演説直後の翌六月、ヒトラーと英独海軍協定を締結し、ベルサイユ条約を破ってあげ、ドイツに英国海軍力の35%を上限にその再保有を認めた。
そもそも、この平和演説は、ヒトラーが二カ月前(1935年3月16日)、ベルサイユ条約の事実上の廃棄である「陸軍50万人保有と徴兵制復活」を宣言したことに対する、世界中に沸き立った非難をかわす目的のもの。結局、ヒトラーの思惑通りになり、この平和演説一本で、ドイツの再軍備が認容され、ベルサイユ条約は死文と化した。ナチ・ドイツの侵略は、一年後の1936年3月7日の、(ロカルノ条約違反の)ラインラント進駐を皮切りに怒涛のごとく開始されていく。
真の平和愛好国の首脳は、具体的な政策を演説しても、抽象語の「平和」「戦争反対」「戦争状態の終結」など、通常めったには口にはしない。だが、自由社会の一般民衆は、自国の首班の演説すら記憶にない。つまり、彼らは、軽薄さと無責任さだけは一流。だから、自分の平和願望が平和への努力(国防力の強化)を惜しむ堕落を母胎にして生まれた腐敗思想なのが自覚できない。腐敗した精神の耳では、侵略者の騙しの甘言は“平和の特効薬”に聞こえる。
要は、今般の板門店宣言に、日本に対する北朝鮮のノドン核/化学弾頭搭載ミサイルが大量に投下される日が一段と近づいたと戦慄しない日本人は、無知を通り越した、人格と精神が究極の腐敗と堕落で朽ち果てているからである。
“金正恩の対米・対日外交=100%プーチン製”を全面無視する安倍総理の不可解
金正恩は、昨年末までの軍事脅迫路線一辺倒の獰猛なタカの本性を隠し、突然、平和のハトの仮面を被った。この前代未聞の豹変は、殺人を日常とする凶悪な極悪人が得意とするアホ馬鹿に対する騙し演技でないなら、万が一にもしていまい。この事について、議論の余地は存在しない。
この意味で、金正恩が主演男優を務めた今般の“世紀の騙し外交ショー”に、日本中が国挙げて、金正恩の術中に嵌ったことになる。脳内が麻痺した日本人が板門店宣言に騙されたか否かを、問題視しているのではない。金正恩の平和攻勢とその“三文ショー”に振り回され、日本が自国の安全第一や国益第一などそっちのけにばっさりと忘れてしまった深刻な事態の方を指摘したいのである。
日本とは、軍事力強大な中共とロシアに囲まれ、西と北から侵略される“風前の灯火”態勢にある。日本の被侵略情況は、まさに年々瀕死の事態へと悪化と転落のテンポが止まらない。つまり、日本とは対ロ/対中の国防問題を片時も忘れてはならない地理環境にあるのに、“スーパーお馬鹿”日本人は、あろうことか、殺人鬼朝鮮人と狂ピエロ朝鮮人がお手手つないだ“火遊びショー”に浮かれる、自失・自棄に阿波踊った。
現に、4月17~18日の日米首脳会談(フロリダ)から4月27日に至る約十日間、日本の新聞テレビは、夕食会のメニューは何だとか、アホらしさもここまでやるかと目を覆う劣悪を極めた板門店報道で埋め尽くされていた。だが、一億日本人の国挙げての「自国の安全第一や国益第一などそっちのけテレビ漬け」を計算に入れていた習近平は、この間、空母「遼寧」機動部隊を基幹とする台湾恫喝と沖縄侵略の海軍大演習を挙行した。
4月12日の、海南島の南海上での空母「遼寧」ほか艦艇48隻/戦闘機76機などが参加した海軍大演習が、数年後の尖閣諸島や石垣島・宮古島に対する侵攻占領演習である事は、自明すぎよう。しかも、この海軍演習に習近平が閲兵するほどの熱の入れようだった。続いて、4月22日、尖閣の目と鼻の先での東シナ海海上で、この空母機動部隊は、尖閣侵攻を想定した対空/対潜作戦の海軍演習を行った。
だが、日本で、風雲急を告げる尖閣防衛のための軽空母四隻を至急建造せよなどの聲はない。中古のロサンゼルス級原子力潜水艦を最低でも四隻、できる限り八隻を購入せよの聲もない。
南シナ海に対する中共の制海権(シー・コマンド)樹立の勢いは、インド洋制覇(シー・コントロール)とも繋がっており、バングラデシュ・スリランカ・パキスタンは、今でははっきりと中共の準同盟国となっている。バングラデシュは、中共の潜水艦二隻を就役させたばかりか(2017年3月)、その母港という名目で中共が自由に使用できる巨大なパイラ軍港を中共に建設させている。パキスタンも中共から8隻の潜水艦を購入するのは確実。東アジアとインド洋は、戦争の世紀へとまっしぐらに突き進んでいる。日本国が2050年でもまだ今のままに存続していると考える軍事専門家は世界には一人もいない。
以上のような一部の情況を見るだけでも、一億日本人が、金正恩の“真赤な嘘偽りの非核化ショー”に浮かれて、自国の国防情況を悪化させている東アジア・インド洋情勢を等閑視する能天気に堕していることが一目瞭然である。日本は、トランプの米朝首脳会談を待たず、すでに金正恩外交に全面的に大敗北したのも一目瞭然である。
安倍晋三は戦わずしてかくも無残に、すでに金正恩に外交大敗北を喫した。金正恩の軍門に屈したとも言ってよい。この対北外交の日本大敗北の実態をさらに掘り下げると、安倍晋三の墓穴を掘る大愚行によって、実は、さらに深刻である。
先にも指摘したが、金正恩“非核化ショー”は、プーチンの脚本・演出。プーチン皇帝のロシア帝国が侵略の牙を引っ込めない限り、日本は金正恩外交で窮地に立たざるを得ないし、その先はますますロシアの属国化という落とし穴に囚われるのが必定。端的に言えば、日本が“第二のクリミヤ半島”へと転落する罠にがんじがらみになるよう、プーチン/金正恩コンビは着実に追い込んでいる。
しかも、日本の不幸は、首相の安倍晋三が“稀代の対ロ売国奴”であること。今こそ、北方領土を無条件・即時返還をしないプーチンとはきっぱり縁を切ることが、日本の領土を守り、北朝鮮に外交を牛耳られないための最低限の策。
だが、外交を自分の内閣支持率に使うことしか頭にない“外交私物化のトンデモ売国奴”が安倍晋三の正体。だから逆さにも、北朝鮮との外交が正念場の今、決して会ってはいけない“侵略の皇帝”プーチンにいつもの幼児的おねだりに、のこのことサンクト・ペテルブルグに出かけるのである。“スーパーお馬鹿”以上に逆立ち外交が専門の安倍晋三は、いずれ日本史上最悪・最凶の反外交に徹した対ロ売国奴として、その名を日本政治史に遺すことになるだろう。
注
1、高田博行『ヒトラー演説』、中公文庫、159頁、177頁。高田は国際政治学が専門でないから止むを得ないが、本書には、ヒトラー演説の中でも重要な二つの「平和演説」の骨子が、巻末附録として所載されていない。何かの機会に全文を翻訳せねばと考えている。 (4月29日記)
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