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トランプ大統領と日本の《国防第一》への大転換が、太平洋の平和に貢献する(その1)

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トランプ大統領と日本の《国防第一(ストロング・ジャパン)》への大転換が、太平洋の平和に貢献する(その1)

──安倍晋三よ、軽空母4隻と原潜4隻を直ちに米国に発注せよ。これが真の日米同盟の絆だ!

 

 

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テーマ:保守主義、中川八洋掲示板
http://ameblo.jp/kororin5556/entry-12223195230.html
トランプ大統領と日本の《国防第一(ストロング・ジャパン)》への大転換が、太平洋の平和に貢献する (その1) 2016-11-26

 

 

 

 

 

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中川八洋掲示板
http://nakagawayatsuhiro.hatenablog.com/entry/2016/11/15/120647


トランプ大統領と日本の《国防第一(ストロング・ジャパン)》への大転換が、太平洋の平和に貢献する──安倍晋三よ、軽空母4隻と原潜4隻を直ちに米国に発注せよ。これが真の日米同盟の絆だ!


2016.11.15
トランプ大統領は日本の好機

 

筑波大学名誉教授   中 川 八 洋

 

 

 

 本稿は、トランプ米国大統領を見越しての前稿「トランプ大統領は、日本の国益に反しない」(2016年5月22日付け本ブログ)に続く、日米同盟の絆強化の方策もわからなくなった日本の政治家に与える“(内政・外交で)最低限実行すべき基本”を喚起するもの。11月17日にトランプとの会談をする安倍晋三・首相は、前稿と併せて、必ず機中で読み拳々服膺されたい。

 

 

 

 

 

トランプ大統領の誕生予測は、日本では、私(中川八洋)以外、木村太郎と渡瀬裕哉のたった二氏。

 2016年5月~11月の約半年間、日本のテレビ・新聞の報道は、客観性と冷静さをいっさい喪失して完全に狂っていたと言える。自国ではなく外国である“米国の大統領選挙”に、なぜ日本の報道機関が一方の候補者(クリントン女史)に肩入れして他方(トランプ)を腐す必要があるのか。淡々と客観情勢を伝えるのが、本来あるべきマスメディアの姿勢ではないのか。

 

 テレビ・新聞だけではない。この常軌を逸した偏向は、外務省や総理官邸の官僚たちも同様で、「それ勝て!クリントン!」と偏向応援をしていた。「いずれが大統領になるか」「この新しい大統領の米国と我が国の外交・国防・経済関係をどう構築するか」を思考していなかった証左だ。外野の無責任な野次馬になっていた外務省官僚たちは、職務放棄していたのである。

 

 これは安倍晋三も同じ。9月19日、安倍は国連総会の帰り、殺人狂のカストロに会いたく共産党独裁国家キューバに急行する前、次期大統領だと思い込んでヒラリー・クリントンと会談した。米国を知らない安倍晋三は、トランプをピエロ候補とばかりハナから無視していた。

 

 さて、日本国内の個々の学者やジャーナリストを振り返ってみよう。実に、面白い事実が判明する。おそらく、個人名(署名入り)で米国を論じた/報道した学者・ジャーナリスト・評論家は、一千名ほどはいるだろう。なのに、トランプが大統領になると自信をもって推定したのは、私の他は、フジテレビの木村太郎氏と、「アゴラ」常連寄稿者の渡瀬裕哉氏だけであった。

 

 つまり、私/木村/渡瀬は一千名中の三名の「0.3%」だから、日本の学者・ジャーナリスト・評論家のうち「99.7%」が、お門違いではしゃいだことになる。「余りにお粗末な劣化日本人たち」というところか。なお、私と、木村太郎氏/渡瀬裕哉氏の間には相違もある。両名は、大統領選挙の予測的中において評価されるが、それ以上ではない。

 

 私が、半年前の5月に発表した「トランプ米国大統領は、日本の国益に反しない」は、トランプの大統領当選は論じる以前に自明として、2017年1月のトランプ新政権発足以降の日米関係における日本の外交と国防政策についてほんのさわりだが、その採るべき方向を提示した。今、安倍政権は蜂の巣をつついたごとくてんやわんやで、トランプ政権との関係や日本のこれからの対米政策の研究にやっと着手した。が私は、それを2016年5月にじっくりと考え、その一端を前稿に発表した。

 

 

 

 

 

 

 

 

第一節 米国内の“分断”深刻化は、ケニア系黒人オバマ極左」大統領の負の遺産  

 日本のマスメディアは、日本の国際政治学者と同じく、極度にレベルが低い。大統領選挙関連の解説はすべて、読むに堪えないし聴くに堪えないデタラメな間違い報道ばかリに終始し、今なお、これを続けている。日本のジャーナリストの頭も人格も猿並み。

 

 例えば、「オバマ後のトランプ政権になれば、米国の内政は“米国の分断”が進む」の一色である。が、言葉「分断」は、ハンチントン著『分断されるアメリカ』(2004年)が邦訳出版されて以来、日本では一杯飲み屋談義のカビが生えた古びた語彙。今更知ったかぶりで使う言葉ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ケネディ政権下で(キング牧師らの)公民権運動(1960年~)を皮切りに始まった、米国の“分断”  

 米国における“分断”情況は、ポスト冷戦の1990年代から如実な傾向を現わし始めた。そして、この“分断”の深刻な深化こそが、かつてはマイノリティとして政治エリートには決してなれない筈のケニア系黒人オバマをして大統領に当選させたのではなかったのか。オバマが大統領に当選した2008年11月、私はすぐ思い出し手に取ったのが、その四年前に読んでいたハンチントン著『分断されるアメリカ』だった。ハンチントンは、こう慨嘆している。   

アングロプロテスタントの文化は、(17世紀半ばから1960年までの)三世紀に亘って、米国のアイデンティティの中核をなしてきた。アングロプロテスタント文化の主たる要素とは、英語、キリスト教、敬虔な信仰心、(コーク卿の)法の支配というイングランド法思想、支配者の責任、個人の権利、非国教派プロテスタント個人主義の価値観、勤勉を善とする勤労倫理、人間には地上の楽園《山の上の町》(マタイ伝5章14節)を作り出す能力と義務があるとの信念」

「ところが、20世紀末(の1990年代)になると、アングロプロテスタント文化の顕著性は、中南米やアジアから新しい移民の波が押し寄せたことによって挑戦を受けた(危機を迎えた)。(それに加えて、諸々の新たな挑戦により)アングロプロテスタント文化の優越性は脅かされるに至った」

「(「諸々の新たな挑戦」とは)知識人や政治家の間で、多文化主義と多様性を重視する政策が人気を博して流行したこと、米国の第二言語としてスペイン語が普及してアメリカ社会の一部がヒスパニック化したこと、人種・民族性・ジェンダーを基にした集団的なアイデンティティが主張されたこと、ディアスポラ(祖国を離れた地球放浪者)と彼らの元・祖国の政府からの影響力が高まったこと、エリート層が益々コスモポリタン化し、トランス・ナショナルなアイデンティティを持つようになったこと」(注1、丸括弧内中川)。

 トランプ大統領によって、“米国の分断”が始まるのではないし、深刻化する訳でもない。ハンチントンの指摘する通り、“米国の分断”は、ケネディ大統領の公民権革命から一世代の三十年を経た1990年代からすでに深刻になっていた。これを一層悪化させた大統領が、ヒッピー系共産主義思想に染まった母親に育てられたバラク・オバマだった。オバマは、米国の国家的支柱「アングロプロテスタントの文化と米国を建国した入植者implanterの信条とを奉戴する」ことはなかった。「オバマケア」を見ても、その「不法移民政策」をみても(注2)、キューバとの国交回復による国是の「反共」放棄を見ても、米国民のアイデンティティ分裂を加速的に助長してきたのはオバマである。一千一百万人のヒスパニック不法移民を放置してきたのはオバマである。

 

 

 ハンチントンが反語的にその絶望を吐露している。米国建国と偉大な米国を担ったWASP(=「白人でアングロ・サクソン族でプロテスタントキリスト教徒」)が影響力を失い少数派となっても、「すべての米国民が、人種・民族を超えて、これからもアングロプロテスタント文化とこの国を築いた入植者たちの信条を奉じていくならば、米国は米国であり続けるだろう」、と。すなわちハミルトンは、人種や民族の共通性を失った米国は遠からず米国でない国になるだろうと、悲観的な予測をしている。私は、絶望が滲む、このハンチントンの嘆きに同感する。

 

 スペイン語しか話さないヒスパニックは、ハミルトンらがまとめた米国憲法解説書『ザ・フェデラリスト』も初代大統領ジョージ・ワシントンが大統領を辞めるに当っての『惜別の辞』も読めない。建国の父たちが、米国を理想国にする教典としたコーク卿『英国法提要』を読むことなど万が一にもできない。蛇足だが、『ザ・フェデラリスト』『惜別の辞』『英国法提要』は、私の座右の書である。

 

 “米国の分断”は、所得格差で生じているのではない。人種・民族の多様化によって、米国の基盤であった“建国の精神・イデオロギーの共有”が不可能になりつつあることによって深刻化した。『ザ・フェデラリスト』『惜別の辞』『英国法提要』を全く読めないにしても、これらの本のタイトルすら知らない「ヒスパニック米国民」の急増が、“米国の分断”を加速し、牽引しているのである。

 

 この意味で、クリントン女史と異なり、ヒスパニックの票田に依存しなかったトランプこそ、“米国の分断”に歯止めをかける最後の偉大な大統領になりうる可能性がある。「トランプは、米国にとって最良の大統領だった」が歴史評価になるかもしれない。

 

 “統一国家”米国を護持するに最低限の政策、メキシコとの国境に“万里の長城”を構築する公約の履行こそ、“米国の分断”を一時ストップさせる歴史的快挙となるだろう。“米国の分断”を僅かでも治癒する方向に引っ張り、米国建国時の理念「古き良き封建時代の英国」を香りだけでも延命する最後の大統領にドナルド・トランプはなろうとしている。

 

 

 

 

 

 

 

ミュージカル「ハミルトン」の大ヒットは、“建国の父”も知らない非・米国化が進む“米国病”の象徴  

 多くの読者にとって既知だが、私は、日本でたった一人の米国建国の精神・イデオロギーの研究者である。アレクザンダー・ハミルトンの政治思想の研究は、日本では私をもって嚆矢とする。拙著『保守主義の哲学』の第2章や『正統の憲法 バークの哲学』に、その概要がまとめられている(注3)。

 

 また、私にとって、ハミルトンはバークともに、日本国に導入したい最高の保守主義思想である。『ハミルトン哲学』を上梓するため史跡の写真撮影も兼ね、ウォール街の向かいにあるトリニティ教会に眠るハミルトンの墓参りをし、同教会が保管する副大統領アーロン・バーとの決闘(これにてハミルトンは死亡。享年49歳)で使われた短銃に涙した。だが、私もいつしか古希を過ぎ、米国のいかなる学者よりも精通していると自負してきた『ハミルトン哲学』を纏める事を断念せざるを言えない。私に続くハミルトン研究者に後事を託したいが、極左人士しかいない東大法学部ほか日本の大学では望みは薄い。上記拙著に呼応して『ハミルトン伝記』が邦訳出版されたのが(注4)、唯一の慰めとなった。

 

 さて、ここにハミルトンを持ちだしたのは、今般の大統領選挙中、ニューヨークのブロードウェイで、ミュージカル「ハミルトン」が大ヒットしたことに、米国の分断”が容易ならざるレベルにあると感じたからである。ヒットの理由が、歴史とヒップホップの組み合わせが目新しく、移民でも米国建国の第一人者になれるという「現代米国のアメリカン・ドリーム」物語に脚本されているからなのはわかる。が、問題は、このミュージカルのキャストが、ことごとくヒスパニックや黒人であること。

 

 米国の「建国の父」たち──最も広範囲に定義すれば約百名──は、英国から入植し大成功した数代つづく由緒ある家系図を持つ「大地主のイギリス人」である。しかも、英国本国の貴族やジェントリー層と同じ生活をしているイギリス人であった。例えば、ジョージ・ワシントン家は伯爵家と全く同じ格式だった。

 

 この米国の「建国の父」たちの中で、名門とも大地主ともイングランド人とも無関係な例外が一人だけいた。それが、西インド諸島から移民したハミルトンだった。それでも、ハミルトンの血統は、フランス人の血が入っている、スコットランド人の末裔で、あくまでも白人である。

 

 このようなハミルトンが、名門の大地主イギリス人しかいない「建国の父」たちの同僚というより、そのリーダーになったのは、ハミルトンが当時の米国においてはむろん、人類史上に稀な“千年に一人の大天才”だったからである。アクトン卿は、ハミルトンの方が“キケロを超える天才バーク”よりIQが高かったのではないかと述べている。

 

 すなわち、大ヒットしているミュージカル「ハミルトン」は、ハミルトンが「移民」である点にモチーフがあり、白人であることも天才であることも無視している。ハミルトンは、コーク『英国法提要』とブラックストーン『イギリス法釈義』を当時の英国の法曹家より完全に理解する全米随一の憲法学者で、ハミルトン憲法思想は初代連邦最高裁ジョン・マーシャル長官に継承されていく。現在のコロンビア大学ロー・スクールは、ハミルトン顕彰を兼ねて建学されている。

 

 しかも、不世出の軍略家・軍人でもあるハミルトンの才は、ナポレオンを超えるだろうと期待されていた。ハミルトンの最終階級は陸軍少将。しかも、米国の中央銀行、ドル紙幣発行、税制すべてはハミルトンの独断で整備されたように、金融と税制の天才であった。だが、ミュージカル「ハミルトン」に熱狂する米国人に、ハミルトンの実像を知る者はほとんどいない。21世紀の米国が“米国”ではなくなっていることを、このミュージカルほど如実に示唆するものは他にない。

 

 トランプに投票した有権者に高所得の中高年白人が多いのは、現在の惨状“消えゆく米国”を反転させて米国を再生する一縷の望みをトランプに託したからである。彼らにとってトランプは、米国を“非・米国化”から救出する「希望の松明」なのだ。

 

 

 

(続く)

 


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