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<法>が命じる国家防衛をないがしろにする日本政府と日本国民

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<法>が命じる国家防衛をないがしろにする日本政府と日本国民








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大森勝久評論集より

http://1st.geocities.jp/anpo1945/hougameijiru.html









<法>が命じる国家防衛をないがしろにする日本政府と日本国民






●安倍政権は自己批判して中共を「仮想敵国」と規定し、尖閣諸島に対艦ミサイルを配備せよ


  自民党は先の総選挙の『政権公約』に、「自民党は、国民の生命・領土・美しい海を断固として守り抜きます」「わが国の領土でありながら無人島政策を続ける尖閣諸島について政策を見直し、実効支配を強化します。島を守るための公務員の常駐や、周辺漁業環境の整備や支援策を検討し、島及び海域の安定的な維持管理に務めます」と書いた。自民党は大勝した。直ちに公務員を常駐させるのかと思いきや、全く違ったのである。

 私は前回論考(2012年12月26日脱)で、安倍新首相と自民党政権を強く批判した。安倍総裁は昨年12月22日に山口県長門市で記者団に対して、『政権公約』のその部分について、「検討すると何回も申し上げてきた。検討することは変わりない」と述べて、公務員常駐等の実行については言わなかったのだ。つまり、「中国との関係を改善する」ために、中国を刺激することになる実効支配強化策は、「検討」にとどめる、というわけである。安倍氏の思想の誤りに起因する中共への屈服である。国民への裏切りである。



 安倍総裁は「日中関係を改善する」ための人事として、「日中友好議員連盟会長」の高村正彦氏を副総裁に任命したが、高村氏は12月29日の東京テレビの番組で、上記のことをより明白に語った。「中国が(日本の)実効支配を強引に力で侵そうとし、(日本が公務員を)常駐させることが(尖閣諸島を)守るために資する場合には、(公務員常駐は)ありうる、というひとつのメッセージだ」「そうでない時にわざわざ常駐させ、中国の国民感情をあおるのは、外交上得策ではない」(12月30日付読売新聞)。だが、保守派からも大きな批判はあがらない。

 中共(中国)は2012年3月に、2隻の公船で尖閣諸島周辺の日本の領海を侵犯したが、その時に「日本の領海から直ちに退去しなさい」と警告した海上保安庁の巡視船に対して、逆に「ここは中国の領土・領海だから退去しなさい」と警告し返してきたのである。そして中共の高官は数日後に、「これは日本の実効支配を打破するための行動である。今後も定期的に海洋監視船を送り込む」と言明したのだ。周知のように、9月に野田政権が尖閣諸島を国有化した後は、中共は頻繁に多数の公船で日本の領海を侵犯し続けている。12月13日には、初めてプロペラ機で尖閣諸島周辺の日本の領空を30分にもわたって侵犯し、「我々は中国領土・領海・領空を立体的にパトロールした」と、国際社会に向けて発信したのである。



 中共が日本領土の尖閣諸島を侵略強奪するべく、今述べたような侵略行動を繰り返し展開していることは明白だ。だが、海上保安庁の巡視船は無線等によって、「日本領海から直ちに退去しなさい!」と警告して並走しているだけである。中国公船も「ここは中国の領海であるから、直ちに退去しなさい!」と警告を発しているのだ。つまり日本の実効支配は崩壊しつつある。それなのに安倍自民党政権は、現在は中国が日本の実効支配を強引に力で侵そうとしている時ではない(「そうでない時」)、とするのである。

 だから安倍政権は、公務員さえも常駐させようとしないし、ましてや陸上自衛隊部隊を常駐させようともしない。直ちにできる、海上自衛隊に「海上警備行動」(自衛隊法82条)を発令して、これで援用して「領海侵犯対処」をさせることもしない。警告射撃をし、次に船体への実効射撃である。1999年3月に北朝鮮の2隻の工作船が日本領海を侵犯したときには、これを発令して、警告射撃と警告爆弾投下をしたのである。



 前記の安倍総裁が記者団に語った12月22日という日は、アメリカ上院が、尖閣諸島は米国の対日共同防衛義務を定めた安保条約第5条の適用対象であることを確認する「2013年会計年度国防権限法案」を、可決した日であったのだ。下院は前日に可決している。つまり同盟国のアメリカが、このように中共の侵略行動を非難して日本を応援し励ましてくれたその日に、安倍氏は先述したように無惨にも中共に屈服したのである。

 安倍自民党政権は、中共によって領海・領土が侵略され強奪されようとしているのに、軍隊を使って「領域保全対処」をさせようとしない。もしこれがアメリカやイギリスであれば、いや普通の国であっても、安倍自民党政権のような政権は、直ちに政権から追放されることは間違いない。なぜならば、政府の第一の<法>的義務は、国家の領域主権を守ること、国防であるからだ。権利は行使を留保することもできるが、義務はそうすることは出来ないのだ。だが日本には、この<法>の観念もないし、「法の支配」の思想もない。そして国民も批判の声をあげない。



 安倍首相と安倍自民党政権が、中共と戦うことができない直接的な思想的根拠は、第1次安倍政権当時の2006年10月に、安倍首相が「日中関係を改善さす」ために、最初の訪問国を同盟国の米国ではなく中共を選んで結んだ、「日中の戦略的互恵関係」にある。まさしく対中屈服外交である。共産党独裁支配国家で日本などを狙う侵略国家の中共と、「戦略的互恵関係」を結ぶのは、保守の立場では断じてない。左翼的であり、反日的であるからだ。

 日本は独裁国家・侵略国家の中共とは、「関係改善」などしてはならない。中共と国内の左翼の非難に抗して6度も靖国神社を参拝した小泉首相の外交こそ、更に発展深化すべきであったのに、安倍首相はその逆をめざしたし、今もそうである。安倍首相は自己批判して直ちに、「日中の戦略的互恵関係」を破棄しなくてはならない。そうしなければ、尖閣諸島防衛を巡る安倍政権の今日の対応がそうであるように、日本は中共に対して国家防衛ができなくなる。中共は尖閣だけを狙っているのではないのだ。



 1月18日午後(日本時間19日未明)、ワシントンで日米外相会談が行なわれた。共同記者会見でクリントン国務長官は、「尖閣諸島には米日安全保障条約第5条が適用される。尖閣諸島は日本の施政権下にあり、米国は、日本の施政権を損なおうとするいかなる一方的な行為、行動に反対する」と、中共の侵略行動を非難した。

 ところが岸田外務大臣は、「日本が中国を挑発することはない。冷静に対応する」と述べて、実効支配の強化策も、国際法規・慣例が主権国家に権利・義務として与えている、平時の「国家の領域保全侵害排除」の正当行動(戦い)もしない、と言明したのであった。これが安倍政権の方針である。義務を果さないということは、国際法規・慣例を守らないということである。それは、国際法規・慣例を破壊する中共の侵略を利する行為である。



 この1月19日、中共は3隻の海洋監視船を尖閣諸島沖へ送り込んで午前9時過ぎから4時間以上にもわたって日本領海を侵犯したのであった。海上保安庁の巡視船は、「退去しなさい」と警告を発して並走するのみであった。実効支配は崩れつつある。中共は1月20日、21日も3隻に領海侵犯させている。

 そんな時(1月19日)に、安倍首相は22日から訪中する連立与党公明党の親中派の山口代表と会談して、習近平総書記宛の親書を託す考えを伝えた。首相は山口氏の訪中について、関係改善を図っていく第一歩にしてもらいたいと述べたという(読売新聞1月20日付)。その山口氏は、1月21日に放送された中国・香港フェニックステレビのインタビューで、尖閣問題の「棚上げ」に言及したのだ(22日付読売新聞)。翌日22日、羽田空港で記者団に、「我が国固有の領土で、領土問題は存在しない」と訂正したが。



 中共は尖閣諸島を強奪したら軍事基地化(対艦ミサイル配備)し、続いて台湾を強奪し、そして琉球諸島(沖縄)と奄美を奪い取ることを目指す。もしもそれらを中共に支配されたら、日本は生命線のシーレーン(海上通商路)を中共に支配されてしまうから、中共の属国にされてしまうのだ。

 中共が尖閣諸島を奪うのは、そこに対艦ミサイルを配備して、中共が台湾を侵略強奪するときに、来援にくる米海軍を阻止するためである。もし台湾が中共に支配されることになれば、中共は台湾対岸に配備している1000基を超えるミサイルを台湾に移駐して、琉球諸島(沖縄)を狙うことになるのである。中共の空軍力、海軍力も台湾へ移駐してくる。そうなれば、沖縄の防衛は今よりはるかに困難さを増すことになる。すなわち、独立した台湾の存在が沖縄を守っていることが分るであろう。



 日本は、自らを防衛するために台湾を防衛しなくてはならないのだ。日台同盟、日台米同盟を形成していかなくてはならない。そして、台湾防衛・沖縄防衛のために、尖閣諸島を防衛しなければならないのである。尖閣諸島は戦略的要衝なのだ。

 日本は、中共を「仮想敵国」(その意味は「真性敵国」)と規定して、対中防衛力を飛躍的に増強していかなくてはならないのである。私たちは安倍自民党政権を徹底的に批判して、そのように規定させていかなくてはならない。日本は直ちに尖閣諸島に自衛隊部隊を配置して、対艦ミサイルを配備する必要があるのだ。中共機からのミサイル攻撃や爆弾攻撃に耐えられるように要塞化もする。もちろん、琉球諸島における防衛力の大増強が必要である。垂直離着陸機ハリヤーを24機搭載した4万トンの軽空母数隻を米国から購入して展開させる必要がある(中川八洋氏)。海兵隊を創設することもしなくてはならない。日本は防衛費を大増額しなくてはならないのである。



 なお中共は、日本を本格的に侵略する時には、北のロシアと共同してそうする。両国で日本を侵略し分割支配する。ところが安倍政権は、「北方領土」の侵略占領に加えて更に日本を侵略することを狙っているロシアとも、「関係改善」をしようとしている。安倍氏は首相就任早々(2012年12月28日)に、プーチン大統領とも電話会談した。これも完全な誤りであり、日本を亡国に追いやる道だ。安倍首相は読売新聞のインタビュー(12月28日)で、読売新聞が「ロシアは異質だ」と言ったのに対して、「プーチン大統領がアジアを重視しているということが極めて重要だ。・・・・大統領が日露関係を重視していると直ちに打ち返してきたわけだから、時を逸してはいけない」と答えていた。プーチンの「日露関係を重視している」の意味は、「日本を侵略支配する」ということであるが、首相はこんなことも分からない。日本は、実質は独裁国家であり侵略国家のロシアも、「仮想敵国」(=「真性敵国」)と規定して、対ロ防衛に努力しなくてはならないのである。


 安倍自民党政権の国防政策、対中政策と対ロ政策は、根本的に誤っている。私たち保守派は、徹底的に批判を提出して、誤りを正していかなくてはならない。それは、国民の祖国に対する義務である。










●日本は「スパイ・工作員天国」である


  日本はそれを取締る法律がないため、「スパイ・工作員天国」である。私たちは「中共やロシアと関係改善すべきだ」と主張する学者や評論家やジャーナリストや(元)官僚や政治家等を、それらの国の思想工作員ではないのか、と正しく疑ってみなくてはならない。様々な嘘言論洗脳によって「反米」を主張する前記の者たちについても、同様に中共やロシアの思想工作員ではないかと疑ってみることが必要である。

 元外務省情報局長で、元防衛大学校教授の孫崎享氏は、『日本の領土問題の「今」と「未来」がわかる本』(2013年1月1日発行)に、「尖閣諸島を国益のために利用するアメリカの陰謀と日本支配」というタイトルの文を載せている。巧みな嘘、嘘、嘘によって中共を擁護し、反米の感情を日本人に植えつけている。彼は中共とロシアの思想工作員である。思想洗脳工作の基本は嘘である。



 元外務省情報局分析官の佐藤優氏も、ロシアKGB(現SVR)の工作員だ。彼は「日本にとって政治的、経済的にも軍事的にもアグレッシブな中国の影響は非常に大きい。中国に対するカードで使えるのはおのずとロシアしかない。アメリカは米国債をいちばん保有している中国と喧嘩しません。そうなると中国の横暴から日本を守る鍵はロシアになるわけです」(前掲書46頁)と、日本は米国ではなく、ロシアを重要なパートナーにすべきだ洗脳工作を展開する。

 京大名誉教授の中西輝政氏も、民族派や保守派に偽装しているが、左翼であって、ロシアKGB(SVR)の思想工作員である。彼は次のように嘘プロパガンダする。「今回の尖閣事件〔2010年9月の事件〕で、日中間には長期にわたり固定的な敵同士の構造があることが非常にはきりとした。だが、ロシアはそうではない。ロシアの本音をいえば、日本も中国が怖いのでしょう。われわれも怖い。だから手を結ぼうではありませんか。・・・・ロシアからすれば、領土問題を早く片づければ、日ロは本当に親密な同盟関係、真の戦略的パートナーになれるという思いがある」(『voice』2011年1月号、59頁)。



 また中西輝政氏は、嘘言論によって「反米」煽って、日本を米国から離反させ、日米同盟を実質的に否定させて、かつロシアへ接近させようとする。彼は『voice』2011年の11月号論文においては、中国の対艦弾道ミサイル配備によって、米軍はもはや空母等を日本の基地に入港させることはできないと書き、「当然のことながら米軍は日本から出ていくほかなくなる。まさに中国がアメリカをアジアから平和的に追い出すのである」(56、57頁)と嘘を書きまくる。

 中西氏はまた、米国の新軍事戦略の「エア・シー・バトル」(空・海戦闘)は、日本を一旦放棄して後方に下がり、そして日本を戦場にして戦うものであり、日本を焦土にするものだ、と嘘プロパガンダする(11月号論文59頁)。日本国民に反米意識を植え付けて民族派に仕立てあげて、日米同盟の否定を狙うとともに、ロシアに接近させ、すがらせようとするのである。その先にあるのは、ロシアによる日本侵略支配だ。




 民族派は「反米」であるのだが、「反米」は必ず「反日」となるから、私たち保守派は、民族派の反米イデオロギーを徹底的に批判していかなくてはならない。民族派の中には、ロシアや中共の工作員も多い。中西氏らを糾弾する言論がほとんどないのは、日本の保守派は思想的に弱いためと、民族派が言論界を牛耳っているためである。なお、民族派は「保守」を自称しているが、保守であるはずはない。

 中西氏は、安倍晋三氏のブレーンの一人と見なされてきた人物である。その他のブレーンも安倍氏に影響を与えてきたはずである。安倍首相は、自らの思想性の検証とともに、ブレーンの身元を再審査してみるべきである。












●アルジェリア・テロ人質事件で、「人命第一とした対処」を方針にした安倍首相の反軍事の非常識


 1月16日早朝(現地時間)、32人の武装したイスラム・テロ集団がアルジェリアの天然ガス施設(日本企業の日揮が一手にプラント建設を引き受けていた)を襲撃し、日揮社員と関連企業スタッフを含む多くの外国人を人質にとった。この最初の襲撃時に、テロリストは逃げようとした日本人3人をちゅうちょなく殺害したと伝えられている(1月24日付読売新聞)。アルジェリア軍と治安部隊が包囲するが、17日正午頃(現地時間)、武装テロ集団は何台もの車にそれぞれ人質3,4人を乗せてリビアへ逃走を図ったので、軍は武装ヘリを使って攻撃し阻止した。この攻撃でテロリスト12人と日本人を含む多くの人質が死亡した。プラント区域に15人の人質を取って立てこもった武装テロ集団は18日深夜、設備に放火し、またプラントの配管などに爆弾を仕掛けたので、軍は19日攻撃を開始しテロリスト17名を殺害した。人質は既に死亡していたと発表された。結局アルジェリア政府はテロリスト29人を殺害し、3名を拘束した。人質の外国人37人が死亡し、外国人5人が消息不明。日本人は10人が死亡した。1月25日までの報道を整理すると、このようではある。



 安倍首相は、ベトナム訪問中に菅官房長官から事件の報告を受けて、1月16日17時(日本時間)に長官に、(1)人質の人命第一とした対処(2)情報収集(3)関係国と緊密な連携、に全力を挙げるように指示した。この時点では人質殺害の情報はない。


 日本政府はアルジェリア政府に、「人命第一とした対処」を要請した。日本の新聞は、この対処方針を当然視して批判することはないが、「人命第一の対処」とは、「異常な国家」日本でのみ通用するものである。

 もしアルジェリア政府が、「人質の人命第一」でこのテロ事件に臨むとすれば、武装テロ組織の勝利は定まってしまう。テロ組織は、アルジェリア政府の攻撃を抑止するために外国人の人質を取ったのであり、アルジェリアで収監されているテロリスト全員とマリで捕えられたテロリスト1000人の釈放と自らの脱出路確保という要求を実現さす取引材料として、人質を取ったのだ。「人質の生命第一の対処」なら、人質の生命を危険にさらすからテロ組織を攻撃できず、テロ組織は勝利を手にすることができる。それは、次なるより大規模なテロ攻撃を招くことを意味する。



 安倍首相と日本政府の「人質の人命第一としての対処」方針は、テロと戦う立場(思想)ではなく、テロに屈し、テロを助長するものなのだ。テロ事件の対処方針の第一は、テロリストとは交渉しない。取引しない。戦いに勝利する、だ。武装テロリスト集団を攻撃し勝利する作戦において、人質を出来る限り多く救出する作戦を考えるのは当然であるが、戦いに勝利するが大前提である。テロリストの出方によっても変わるのだ。ガスプラントを大々的に破壊されるのを許すことはできないし、テロリストを逃がすことも出来ない。彼らは逃げたリビア等で、その人質を利用して、要求を実現しようとするからだ。また制圧作戦が長期化すれば、テロリスト組織は、「敵は弱い」とみて、別の部隊を出動させて新たなターゲットを襲撃してくることが高い可能性として考えられる。


 1月17日、アルジェリア軍の攻撃が始まった(テロリスト集団の逃走阻止)。多くの人質とテロリストに死者が出ているとの報道もなされる。すると日本政府は、アルジェリアに派遣されている外務省の城内実政務官が、日本時間の17日23時に、アルジェリアの外相に、軍事行動の即時中止を要請したのである。安倍首相も18日0時30分(日本時間)に、セラルアルジェリア首相と緊急電話会談を行い、「人命最優先での対応を申し入れていたが、人質の生命を危険にさらす行動を強く懸念している。厳に控えていただきたい」と抗議し、軍事行動の即時中止を求めたのである(1月18日付読売新聞)。



 アルジェリア政府の武装テロ集団を制圧する軍事行動の中止を求めた国など、日本以外にはない。日本はテロと戦うことができない国だ、との悪評価を世界に発信したことになる。キャメロン英首相は、1月19日安倍首相に、アルジェリア政府を批判しないように求めている。そのキュメロン首相は、1月17日英議会で、「責任はテロリストにある。我々はテロとの戦いでアルジェリアに寄り添う」と述べている(1月19日付読売新聞)。


 安倍首相の頭にあったことは、自分の方針、言葉が、日本のマスコミに批判されないようにすることであったろう。左翼マスコミが作り上げてきた「人命第一主義」に、屈服というよりも、それを共有してしまっている首相の姿がここにある。政府自体もである。恥を知るべきである。


 安倍首相は、自衛隊の最高指揮官である。軍の最高指揮官でもある首相の方針が、これなのである。今回のイスラム武装テロ組織の襲撃は、国家による武力侵略ではないが、実質は侵略である。「国家がこのように侵略され、主権が脅かされた時、軍による相応の反撃を決断するものだ」。これはルドリアン仏国防相が、1月20日にテレビで、アルジェリア政府の軍事作戦を支持して述べた言葉である(1月21日付読売新聞)。



 安倍首相の今回のテロ事件に対する対処方針は、中共による尖閣諸島への侵略行動に対して、命を賭して排除すること(領域侵犯排除)をしないことと通底しているのだ。今回のイスラム武装テロ組織は、日揮が英国BP社から一手に引き受けたプラント建設の現場を襲撃したのであるから、日本企業が攻撃されたのでもある。つまり、日本政府は当事者でもある。だから、アルジェリアの主権を踏まえた上で、アルジェリア政府と協力してテロ集団を制圧する側にあったのに、安倍政権にはその自覚もなく、「人質の人命第一」を掲げて、テロ制圧作戦の即時中止を求めたのであった。私たちは強く批判していかなくてはならないのだ。


 日本政府と日本国民は、国家の領域主権を犠牲を払ってでも守り抜かなくてはならない。日本政府と日本国民は、国際法を否定して尖閣諸島を強奪するべく、領海・領空・領土侵犯を続ける中共と、犠牲を払ってでも戦い、尖閣諸島を守り抜かなくてはならない。日本政府と日本国民は、今回のような武装テロ集団とも、犠牲を払ってでも戦い抜き勝利しなくてはならないのである。しかしながら、今の日本政府と日本国民には、これらの<法>的正義・義務を、犠牲を払ってでも実行するという常識も、思想も、勇気も欠如している。


 <法>と「法の支配」の思想の欠如と、左翼思想の蔓延がそうさせているのである。「人命第一主義」も左翼思想である。これで洗脳して、日本政府と日本国民に<法>的正義・義務の実行を出来なくさせるのが狙いだ。つまり、日本に国防をできなくさせるのである。そうすれば、日本はいずれ中共とロシアに侵略され分割支配されていくことになる。その時、何百万人もの日本人が殺害されることになる。「人命第一主義」も左翼が得意の「転倒語」である。中共、ソ連、北朝鮮で明らかなように、左翼こそが人命を虫ケラのように扱うのである。








●日本には「法治主義」はあっても、「法の支配」はない


 国家主権を守ること、国防は、日本政府と日本国民の第一の義務である。しかし政府も国民もそれが全く出来ず、軍事アレルギーであるのは、<法>思想と「法の支配」の思想がないからである。



 まず安倍政権は、「憲法9条を改正して国防軍を保持する」と言うから、これについて再び一言述べておこう。この主張は、ほとんど虚妄である。このように主張することによって、「軟弱な保守派」から支持を得るとともに、保守派が成長していくのを阻み、現在の思想レベルに留めておくことが目的である。


 自分の頭で考えてもらいたい。安倍政権は、中共の侵略強奪から尖閣諸島を防衛するために、今すぐにも出来る陸自部隊の尖閣諸島配置もしないし、海自に領海侵犯排除の戦いもさせないのだ。そんな安倍政権が言う「国防軍の保持」が、信用できるであろうか?否だ。アルジェリア軍のテロ集団制圧作戦を、「人命第一」の立場から即時中止を求めた安倍政権が、「国防軍の保持」を言っても、空しいだけである。



 私は「自民党新政権に対する建設的批判」(2012年11月28日脱)の文で、自衛隊の「専守防衛」は、軍隊の戦略ではない。反軍事の戦略であり、反国防の戦略である、と批判した。そして日本が国防軍を保持するということは、この「専守防衛」を全面否定して、国際法規・慣例に基づいた正しい国防戦略を構築するということだ、と述べた。自衛隊法は当然全面的に改正するのである。


 ところが、第一次安倍政権で首相補佐官を務め、今は内閣官房副長官になっている自民党の世耕弘成議員は、去年11月末の「朝まで生テレビ」に出演して、自衛隊を国防軍にしても、「専守防衛は変わらない」と述べているのである(『正論』2013年2月号、175頁)。つまり、ほとんど「名称の変更」に過ぎないのである。



 自衛隊を国防軍にすることは、わずか一週間でできる。憲法9条の改正など不要である。現在の「憲法9条2項の誤っている解釈」(日本はいかなる目的であっても軍隊を保持できない)を否定して、制定当時(1946年)の「本来の正しい解釈」(侵略目的以外の目的であれば軍隊を保持できる)に戻す「閣議決定」を行なえばよいのだ(11月28日脱の拙文参照)。すぐに出来ることをしないのは、真の意味での国防軍を保持する気がないからである。

 現在の「憲法9条2項の解釈」は、<法>に違反していて、無効である。本来の憲法9条2項(=準<法>)にも違反していて無効である。政府は祖国日本の永続を願うのであれば、直ちに閣議決定で9条2項の解釈を本来のものに戻し、自衛隊は軍隊であるとしなくてはならない。<法>的義務である。軍隊であれば当然、集団的自衛権を行使できる(逆に軍隊でなければ、集団的自衛権は行使できない)。安倍政権は完全に誤っているのである。



 日本には「法治主義」はあっても、「法の支配」はない。そもそも、政治学者も政治家も「法の支配」を全く知らない。「法治主義」のことを、誤って「法の支配」と言ってるにすぎない。

 「法の支配」でいう<法>とは、国会で立法された法律のことではない。古来からの真理のことであり、それを<法>と言うのだ。<法>は、国王や政府や国会や裁判所の上位にあって、もちろん国民の上位にあって、全てを支配するものである。従って憲法は、この<法>を発見し、<法>に支配されて制定されなくてはならない。そのように制定された憲法は、「正しい憲法」であり、準<法>である。一方、<法>に違反する憲法条項は、誤りであり、無効である。国会の立法も、<法>に支配されたものでなくてはならず、法律で<法>を否定したり破壊してはならない。<法>に反する法律は、誤りであり、無効である。<法>に支配されて国家の外交、内政はなされなくてはならない。



 これが「法の支配」である。英米系の思想である。「法の支配」とは、<法>主権ということである。だから「国民主権」は「法の支配」に違反しており、国民主権を謳う憲法1条の後段は、無効である。なぜなら、「国民主権」とは「人民主権」(=「革命党主権」)をオブラートで包んだものであり、「革命党による独裁支配」をつくりだす悪魔の思想だからである。「法の支配」が貫かれることによって、国民の自由は保障されるのだ。


 「法治主義」とは、国会で制定した法律(憲法を含む)が、<法>に違反していようとも、それを是とするものであり、そうした法律に基づいて外交、内政を行う立場をいう。だから、<法>を否定する悪の法律であっても、それに基づく統治を是とする。典型的な「法治主義」は、ナチス・ドイツであり、1933年3月の「授権法」(「全権委任法」)である。この法律の成立後は、ナチス党大会が拍手で成立させたものが法律となった。ナチス党とは「国家社会主義労働者党」のことであり、ナチス・ドイツは左翼国家であったのだ。



 このように、「法の支配」と「法治主義」は全く別のもので、敵対している。「法の支配」が正しいのは自明である。<法>の第一は、国家の永続である。だから国防であり、国家主権を守ることである。だから国防軍を保持することも、<法>が第一に命じることだ。政府は<法>が命じていることを実行しなくてはならない。それをしない政府を、心ある国民は厳しく批判して正していかなくてはならないのである。国民の<法>的義務である。「法の支配」があれば、政府は「法の支配」に反することが出来なくなる。やれば、政権から追放されるからだ。


 私たち日本国民は、「法の支配」の思想を学んでいかなくてはならない。そうすれば、日本人の「お上意識」も変革されていく。これは「法治主義」から派生してきているものだ。「日本人は原理原則がない」と言われるのも、またそうだ。「法の支配」の思想がないためである。



 安倍首相は、訪中する公明党山口代表に、習近平総書記宛の「親書」を託した。その内容は、「日中関係は最も重要な二国間関係の一つで、両国はアジア太平洋地域の平和と発展に共同責任がある。大局から出発し、日中の戦略的互恵関係を発展させたい」(1月26日付読売新聞)というものである。そして安倍首相は山口氏に、「首相と習総書記の日中首脳会談の開催」を提案させた。

 この親書は、ほとんど左翼である。私たちは「法の支配」の立場から、安部自民党政権の誤りを徹底的に批判して、正していかなくてはならない。私たち一人一人の<法>的な義務である。祖国の永続をめざすならば、そうしなければならない。

 2013年1月27日脱

大森勝久











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